嵐 橘三郎 (6代目) アラシ キツサブロウ
- 屋号
- 伊丹屋
- 定紋
- 三階菱橘
- 所属
- 伝統歌舞伎保存会会員
プロフィール
▼渋みに品があり、手堅い演技で脇をしっかり勤める実力派のベテラン。大きな敵役などに本領を発揮、世話物では役の背景や生活感まで感じさせる奥行きのある演技で舞台を盛り上げる。『夏祭浪花鑑』の舅・義平次で金に汚い老人を下卑た嫌らしさで演じたかと思えば、『仮名手本忠臣蔵』の斧九太夫ではひと癖ある役どころを体現。オフシアター歌舞伎『女殺油地獄』にも出演、番頭上がりの父・徳兵衛の複雑な心情を表現した。
〔亀岡典子〕
経歴
芸歴
▼1944年生まれ。63年3月四代目坂東鶴之助(五代目中村富十郎)に入門し、大阪新歌舞伎座『花の生涯』の侍で坂東鶴吉を名のり初舞台。坂東竹四郎、中村富太郎を経て、77年10月新橋演舞場で六代目嵐橘三郎を襲名し名題昇進。2013年11月歌舞伎座『仮名手本忠臣蔵』四・七段目の斧九太夫で幹部昇進。
受賞
▼1975年10月『大江山鬼神草子』の夜叉童子で、2011年12月『元禄忠臣蔵』の梶川与惣兵衛と医師原田玄沢で国立劇場奨励賞。1978年8月歌舞伎会公演『彦山権現誓助剣(ひこさんごんげんちかいのすけだち)』の一味斎後室お幸などで国立劇場努力賞。84年12月『大經師昔暦』の手代忠吉で国立劇場特別賞。97年第三回日本俳優協会賞。同年重要無形文化財(総合認定)に認定され、伝統歌舞伎保存会会員となる。2010年7月十三夜会賞助演賞。13年12月『弥作の鎌腹』の柴田七太夫で、18年11月『名高大岡越前裁』の僧天忠と久保見杢四郎で国立劇場優秀賞。03年眞山青果賞助演賞。