中村 種之助 (初代) ナカムラ タネノスケ
- 屋号
- 播磨屋
- 定紋
- 揚羽蝶
プロフィール
▼中村吉右衛門一門の花形で立役と女方の両方を勤める。兄の中村歌昇との勉強会「双蝶会」では『四の切』の忠信実は源九郎狐で親を慕う子狐の心情を表現し、『傾城反魂香』のおとくではハンディを持つ夫・又平を気遣う世話女房ぶりを示した。踊りも達者で『操り三番叟』の三番叟を軽快に、『船弁慶』では静御前と平知盛の霊の2役を踊り分けた。女方では『法界坊』の野分姫が愛らしく、『京人形』のおとくでやさし気な風情を見せた。
〔小玉祥子〕
経歴
芸歴
▼1993年2月22日生まれ。中村又五郎の次男。99年2月歌舞伎座『盛綱陣屋』の小三郎で初代中村種之助を名のり初舞台。15年1月浅草公会堂『猩々(しょうじょう)』の猩々ほかで名題昇進。
受賞
▼1998年10月『佐倉義民伝』の宗吾次男徳松で、2001年1月『奥州安達原』の千代童で、21年6月「歌舞伎のみかた」の解説で国立劇場特別賞。2015年11月『神霊矢口渡』の下男六蔵で、19年11月『孤高勇士嬢景清(ここうのゆうしむすめかげきよ)』日向嶋の里人実ハ天野四郎で国立劇場奨励賞。20年11月『平家女護島』の菊王丸で国立劇場優秀賞。