尾上 松太郎 (2代目) オノエ マツタロウ
- 屋号
- 音羽屋
- 所属
- 伝統歌舞伎保存会会員
プロフィール
▼立役。小学3年生の時から二代目尾上松緑の内弟子で修業し名子役だった。清元三味線は鮮やかな腕前。芝居はどんな役でも手堅く脇役として貴重な存在である。運動神経が発達していて30代から立廻りはピカイチ。その実力を評価され、坂東八重之助の後継者として国立劇場歌舞伎俳優研修生に立廻り等を教えてきた。『文七元結』の家主、『仮名手本忠臣蔵』五段目の与市兵衛はいぶし銀の味だ。
〔大島幸久〕
経歴
芸歴
▼1939年生まれ。二代目尾上松緑に入門し、48年5月東京劇場『寺子屋』の寺子で初舞台。50年10月尾上みどりと改め、59年3月歌舞伎座『平家物語』の基盛一子行盛で尾上松太郎と改名。84年2月歌舞伎座『鏡獅子』の用人関口十太夫ほかで名題昇進。
受賞
▼1967年1月『雷神不動北山桜(なるかみふどうきたやまざくら)』の忍びの者軍内で、69年5月『桂川連理柵』の伊勢参りの男で、76年8月『盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ)』の夜番太郎七で、80年1月『戻橋背御摂(もどりばしせなにごひいき)』の蜘蛛四天で、88年1月『御摂勧進帳』の立師と新庄鈍藤太で国立劇場奨励賞。72年重要無形文化財(総合認定)に認定され、伝統歌舞伎保存会会員となる。99年3月『鏡山旧錦絵(かがみやまこきょうのにしきえ)』の立師と奥女中桐島で、21年6月『人情噺文七元結』の家主甚八で国立劇場優秀賞、ほか国立劇場特別賞、歌舞伎座賞など多数。2007年第十三回日本俳優協会賞。2019年度日本俳優協会賞功労賞。