市川 門之助 (8代目) イチカワ モンノスケ
- 屋号
- 瀧乃屋
- 定紋
- 四ツ紅葉
- 所属
- 伝統歌舞伎保存会会員
プロフィール
▼貴公子を思わせる高貴な顔立ちと大らかな芸風で舞台を支える中堅。年を重ねて渋みを増した演技でその存在をファンに印象付ける。
市川猿翁の下で腕を磨き、時代物から世話物、スーパー歌舞伎まで幅広く出演。立役も女方もこなす芸域の広さが身上で、例えば『義経千本桜』四の切なら義経も静御前も演じられるのがこの人の強み。立役では『蜘蛛絲梓弦(くものいとあずさのゆみはり)』の源頼光のようなきりっとした二枚目から『梅雨小袖昔八丈』髪結新三の白子屋手代忠七、商家の主人、さらには老け役までをまんべんなく演じ分け、女方でも世話女房役から、老女、姫とレパートリーは広い。泉鏡花原作の『天守物語』や『海神別荘』のような幻想譚でもその魅力はいかんなく発揮されている。
英語に堪能で、自身のブログに英語訳を併記することも。米国のハワイ州立大学で教鞭を執り歌舞伎の指導に当たるなど、世界に向けた発信にも力を入れている。
〔小菅昭彦〕
経歴
芸歴
▼1959年9月24日生まれ。七代目市川門之助の長男。69年2月歌舞伎座『義経千本桜』鮓屋の六代君ほかで二代目市川小米を名のり初舞台。90年12月歌舞伎座『義経千本桜』四の切の義経で八代目市川門之助を襲名し名題昇進。
受賞
▼1972年4月『一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)』須磨浦組討の遠見の敦盛で国立劇場奨励賞。90年歌舞伎座奨励賞。同年重要無形文化財(総合認定)に認定され、伝統歌舞伎保存会会員となる。
舞台写真
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