中村 駒助 (4代目) ナカムラ コマスケ
- 本名
- 大喜哲
- 屋号
- 成駒屋
- 定紋
- 祗園守、三ツ梅
- 生没年月日
- 昭和8(1933)年03月05日〜平成14(2002)年03月13日
- 出身
- 福岡県
プロフィール
背が高く美丈夫だった。『籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)』で六代目中村歌右衛門の八ツ橋の道中に肩を貸す廓の若い者は、ずっと中村芝歌蔵時代のこの人だった。美しい艶冶な歌右衛門の八ツ橋の笑みのそばには、いつも真面目な彼の表情があった。こういう所にも呼吸が合う合わないがある。『本朝廿四孝』(狐火)で八重垣姫にからむ力者も持ち役。名題となって、六代目大谷友右衛門の前名である駒助を名乗った。素顔は真面目で朴訥なところのある人だった。『春日局』の武骨な旗本役が、独特のナマリと共に記憶に残る舞台。晩年に『鏡山旧錦絵(かがみやまこきょうのにしきえ)』の泣き中間(ちゅうげん)を演じて、何とも言えないいい味を見せた。歌右衛門の名舞台を影から支えた功労者の1人だ。
【秋山勝彦】
経歴
芸歴
六代目中村歌右衛門に入門、昭和33年1月歌舞伎座で中村芝歌蔵を名乗り初舞台。昭和47年5月伝統歌舞伎保存会会員の第2次認定を受ける。昭和48年3月名題昇進、昭和49年5月歌舞伎座『春日局』の保利康之、『頼朝の死』の定海で中村駒助を襲名。
受賞
平成4年第11回眞山青果賞助演賞。平成6年12月『北国女人記』のかぶき道化で国立劇場奨励賞。