市川 右左次 イチカワ ウサジ
プロフィール
▼立役。市川右團次一門。鋭い眼差しに締まった輪郭、しっかりした体躯でシャープな印象をもつ。澤瀉屋一門の舞台を中心に、捕手や四天などの立廻りで活躍。『四の切』では先代市川猿之助(現・猿翁)、当代猿之助、師・市川右團次はもちろん、市川海老蔵の忠信でも荒法師を勤めた。『お祭り』の若い者や『三人吉三』の駕籠舁などは威勢の良さと逞しさがピッタリ。伝統歌舞伎保存会研修発表会の『競伊勢物語(はでくらべいせものがたり)』で業平・豆四郎の2役を好演した姿が印象深い。
〔内河 文〕
経歴
芸歴
▼1973年生まれ。澤村剣友会を経て、95年4月新橋演舞場『ヤマトタケル』の熊襲(くまそ)の民衆の男ほかで歌舞伎の初舞台。98年7月初代市川右近(現・右團次)に入門。99年2月市川喜之助を名のる。師の右團次襲名に伴い、2017年1月新橋演舞場『源平布引滝』義賢最期の軍兵ほかで市川右左次を名のる。19年9月名題適任証取得。