河原崎 権十郎 (4代目) カワラサキ ゴンジュウロウ

屋号
山崎屋
定紋
八ツ花菱に二ツ巴、菱宝結び
所属
伝統歌舞伎保存会会員

プロフィール

▼菊五郎劇団のムードメーカー役の立役だ。『め組の喧嘩』の鳶さながらの江戸っ子で、さっぱりと明るく、先輩へ気を遣い、後輩の成長に目を配る。劇団の芝居のあれこれを伝える立場になったのだ。同じ三男坊の立場にあった二代目尾上松緑に可愛がられた。父の十七代目市村羽左衛門の教えもある。その賜物が、べりべりと台詞を喋る赤っ面の『馬盥(ばだらい)』の森蘭丸や、『石切梶原』の血気盛んな俣野、世話物の『魚屋宗五郎』の三吉などで、イキのよさを発揮した。時代が令和となってからは尾上菊五郎の『野晒悟助』で悟助が気を許す子分の忠蔵を勤める一方、『権三と助十』で同心石子判作を演じた。主役を相手にする役も、大詰にチョイと顔を出す役もあって、立ち位置は様々ながら身についた素養は万事に裏切らず、人物の位取りをちゃんと出している。万物流転の世とはいえ、そろそろ老練の味というものだ。趣味は山登り。山は思惟を求める孤独な空間だが、人懐っこい気性も育むようだ。

〔朝田富次〕

経歴

芸歴

▼1954年2月6日生まれ。十七代目市村羽左衛門の三男。長兄に坂東楽善、次兄に市村萬次郎がいる。60年9月明治座『土蜘』の石神で初お目見得。61年6月歌舞伎座の「口上」で坂東正之助を名のり初舞台。平成元年『双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)』放駒長吉ほかで名題昇進。2003年5月歌舞伎座『幡随長兵衛』の水野十郎左衛門ほかで四代目河原崎権十郎を襲名。

受賞

▼1974年重要無形文化財(総合認定)に認定され、伝統歌舞伎保存会会員となる。

舞台写真