市川 左團次 (4代目) イチカワ サダンジ

屋号
高島屋
定紋
三升に左、松皮菱に鬼鳶
所属
伝統歌舞伎保存会会員

プロフィール

▼芸歴は70年を超え、今の舞台には欠かせない存在となっている。長身の堂々たる体に、ぎょろりと大きな目。色気と愛嬌もあり、荒事から老け役まで、芸域は幅広い。左團次襲名公演で演じた『毛抜』の粂寺弾正のように芸容の大らかな役から、『仮名手本忠臣蔵』の高師直、『助六』の髭の意休、『俊寛』の瀬尾、『対面』の工藤、『石切梶原』の大庭、『御所五郎蔵』の土右衛門など敵役の大役、『松浦の太鼓』の宝井其角や『元禄忠臣蔵』の新井勘解由には宗匠、学者らしさがあり、『熊谷陣屋』の弥陀六のような滋味ある老け役、『身替座禅』の奥方玉の井の迫力ある女方まで、左團次でなければという役が増え、それぞれ回数も重ねている。存在感ある自在の演技で、一座に左團次がいるだけで安心して見ていられる。一方で、遊び心にもあふれ、「口上」での奔放な発言は他の追随を許さない面白さがあり、テレビのバラエティー番組でも異彩を放った。

〔林 尚之〕

経歴

芸歴

▼1940年11月12日生まれ。三代目市川左團次の長男。47年5月東京劇場『寺子屋』の菅秀才で五代目市川男寅を名のり初舞台。62年2月歌舞伎座『曽我の石段』の八幡三郎などで五代目市川男女蔵を襲名。79年2月歌舞伎座『京人形』の左甚五郎(ひだりじんごろう)、『毛抜』の粂寺弾正(くめでらだんじょう)で四代目市川左團次を襲名。

受賞

▼1972年重要無形文化財(総合認定)に認定され、伝統歌舞伎保存会会員となる。81年6月『夏祭浪花鑑』の義平次で国立劇場優秀賞。86年5月歌舞伎座『甲斐源氏夢旗挙』の武田信縄で松竹社長賞。92年6月歌舞伎座『東海道四谷怪談』の宅悦などで、93年11月歌舞伎座『忠直卿行状記』の小山丹後などで、96年11月歌舞伎座『俊寛』の瀬尾太郎で松竹会長賞。97年第十八回松尾芸能賞優秀賞。98年眞山青果賞特別賞。2011年旭日双光章。16年10月『仮名手本忠臣蔵』の高師直と石堂右馬之丞で国立劇場特別賞。16年度日本芸術院賞。

著書・参考資料

▼著書『俺が噂の左團次だ』(1994年、新潮社)、『夢を見ない、悩まない』(2014年、株式会社サイゾー)。

舞台写真