山崎 咲十郎 ヤマザキ サクジュウロウ

所属
伝統歌舞伎保存会会員

プロフィール

▼立役。河原崎権十郎一門。軽快でキレのある身のこなしで入門当初から菊五郎劇団の立廻りで活躍。立師(たてし)も勤める。柔らかな雰囲気で、世話物の『魚屋宗五郎』の足軽や『白浪五人男』の按摩などはお馴染みの役。2008(平成20)年9月新橋演舞場『実盛物語』では矢走仁惣太に抜擢。「俳優祭」で連鎖劇『奈落―歌舞伎座の怪人』の脚本・監督を勤め、2019(令和元)年8月歌舞伎座『新版 雪之丞変化』で脚本・演出補を担当するなど多才である。

〔内河 文〕

経歴

芸歴

▼1975年生まれ。92年1月十七代目市村羽左衛門に入門し、歌舞伎座『石切梶原』の大庭の供侍ほかで坂東橘咲を名のり初舞台。師の歿後、その三男の坂東正之助が四代目河原崎権十郎を襲名したときその門下となり、2004年1月山崎咲十郎と改名。07年5月名題適任証取得。

受賞

▼1993年12月『野晒悟助』の立廻りで国立劇場特別賞。2008年第十四回日本俳優協会賞奨励賞。11年1月『四天王御江戸鏑』の立廻りで、18年3月『髪結新三』の肴売新吉で国立劇場奨励賞。15年1月『南総里見八犬伝』の立廻りで、16年1月『小春穏沖津白浪(こはるなぎおきつしらなみ)』の立師および立廻りで、17年1月『しらぬい譚(しらぬいものがたり)』の立廻りで、18年7月『日本振袖始』の立廻りで、19年1月『姫路城音菊礎石(ひめじじょうおとにきくそのいしずえ)』の立師で、20年1月『菊一座令和仇討』の立師で国立劇場特別賞、ほか。12年重要無形文化財(総合認定)に認定され、伝統歌舞伎保存会会員となる。