松本 幸雀 (2代目) マツモト コウジャク
- 屋号
- 高麗屋
- 所属
- 伝統歌舞伎保存会会員
プロフィール
▼女方。二代目中村又五郎の薫陶を受けたベテラン。おっとりとした雰囲気と明るさ、若々しさのある人。『双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)』 の母お幸、『廓文章』の仲居など、時代物、世話物問わずどんな役でも安定感ある演技で舞台を支える。『寿式三番叟』『奴道成寺』などの踊りの後見としても信頼が厚い。また、プロのシャンソン歌手としてCDアルバムを発表。多彩な芸の持ち主である。
〔阿部さとみ〕
経歴
芸歴
▼1972年国立劇場第1期歌舞伎俳優研修修了。4月国立劇場『一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)』の軍兵ほかで佐藤亜の名で初舞台。73年6月二代目中村又五郎に入門し、中村又志郎(またしろう)を名のる。84年8月東京宝塚劇場〈東宝ゆかた会〉で二代目中村紫若を襲名し名題昇進。2011年6月九代目松本幸四郎(現・白鸚)門下となり、新橋演舞場『頼朝の死』の申し次侍女で二代目松本幸雀を名のる。
受賞
▼1972年5月『天竺徳兵衛韓噺(てんじくとくべえいこくばなし)』の立廻りで、2003年1月『双蝶々曲輪日記』の尼妙林で、12年1月『三人吉三巴白浪』の夜鷹おいぼで国立劇場奨励賞。01年重要無形文化財(総合認定)に認定され、伝統歌舞伎保存会会員となる。12年第十八回日本俳優協会賞。