市川 新十郎 (4代目) イチカワ シンジュウロウ

屋号
成田屋
所属
伝統歌舞伎保存会会員

プロフィール

▼立役。目鼻立ちがくっきりした二枚目で口跡は明瞭。市川新七を名のっていた頃は小柄な体躯を活かし、『毛抜』の忍びなど、師・十二代目市川團十郎と一座した菊五郎劇団の舞台を中心に胸のすくような立廻りを見せた。『野晒悟助』の提婆子分などに鋭さがあり、名題昇進披露の『幡随長兵衛』の舞台番は江戸っ子気質の粋な男ぶりで今や持ち役。夏の勉強会では『道行初音旅』の忠信、『戻駕』の次郎作など舞踊の腕も発揮している。

〔内河 文〕

経歴

芸歴

▼1969年生まれ。90年国立劇場第10期歌舞伎俳優研修修了。4月国立劇場小劇場『彦山権現誓助剱(ひこさんごんげんちかいのすけだち)』の忍びの浪人で小坂部暢宏の名で初舞台。91年4月十二代目市川團十郎に入門し、国立劇場『南総里見八犬伝』の捕手ほかで市川新七を名のる。2008年5月歌舞伎座『極付幡随長兵衛』の舞台番新吉などで四代目市川新十郎を名のり名題昇進。

受賞

▼1990年11月『国性爺合戦』の下官で、91年11月『義経千本桜』大物浦の軍兵で国立劇場奨励賞。2005年第十一回日本俳優協会賞奨励賞。12年3月『一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)』の立廻りで国立劇場特別賞、ほか。12年重要無形文化財(総合認定)に認定され、伝統歌舞伎保存会会員となる。

舞台写真

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