尾上 扇緑 (初代) オノエ センロク

屋号
音羽屋
所属
伝統歌舞伎保存会会員

プロフィール

▼女方。高齢のため舞台に出る機会は少ないが、少し寂しげでひっそりした風情の品のいい舞台ぶりが懐かしい。数少なくなった昭和ひと桁生まれの脇の女方として、戦後歌舞伎の名優たちの舞台を身をもって支えてきた貴重な存在である。特に師の二代目尾上松緑の後見をつとめた経験は、現・松緑の一門にあって重きをなす。また舞台の上だけでなく、師匠松緑の台本や書抜など膨大な資料を整理、熟知しているという隠れた功績もある。

〔上村以和於〕

経歴

芸歴

▼1930年生まれ。二代目尾上松緑に入門し、48年4月新橋演舞場で尾上松男を名のり『助六曲輪菊(すけろくくるわのももよぐさ)』の仕出しで初舞台。59年10月歌舞伎座『勘平の死』の女中おみのほかで尾上扇緑と改め名題昇進。

受賞

▼1972年重要無形文化財(総合認定)に認定され、伝統歌舞伎保存会会員となる。95年4月『法懸松成田利剣(けさかけまつなりたのりけん)』の母おかやで国立劇場優秀賞。2004年第十回日本俳優協会賞功労賞。14年文化庁長官表彰。

舞台写真

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