澤村 宗之助 (3代目) サワムラ ソウノスケ
- 屋号
- 紀伊国屋
- 定紋
- 丸にいの字、笹りんどう
- 所属
- 伝統歌舞伎保存会会員
プロフィール
▼女方が本領で上品な姫君や可憐な娘役、若衆を長く演じていた。『文七元結』で長兵衛娘お久、『加賀鳶』の小間使お朝、『女殺油地獄』なら与兵衛娘おかち。薄幸の女が巧い数少ない俳優の1人だ。役柄を広げた近年では『実盛物語』の郎党、『元禄忠臣蔵』の近松勘六、同じ『油地獄』でも与兵衛兄太兵衛などで存在感を見せた。九代目澤村宗十郎の部屋子になったのは小学3年生。師匠の車での送り迎えや外食のお伴だった。
〔大島幸久〕
経歴
芸歴
▼1972年5月6日生まれ。78年6月新橋演舞場『逆櫓(さかろ)』の駒若丸で山本雅晴の名で初舞台。81年9月澤村宗十郎の部屋子となり、歌舞伎座『伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)』の千松で二代目澤村宗丸を名のる。98年名題昇進。99年9月歌舞伎座『加賀鳶』のお朝で三代目澤村宗之助を襲名。
受賞
▼1996年第二回日本俳優協会賞奨励賞。98年眞山青果賞奮闘賞。99年歌舞伎座賞。2008年7月「歌舞伎のみかた」の解説と『義経千本桜』河連法眼館の場の亀井六郎で、10年6月「歌舞伎のみかた」の解説で、14年7月「歌舞伎のみかた」の解説で国立劇場特別賞。09年重要無形文化財(総合認定)に認定され、伝統歌舞伎保存会会員となる。12年7月「歌舞伎のみかた」の解説と『毛抜』の小野春風で国立劇場優秀賞。