市川 段四郎 (4代目) イチカワ ダンシロウ
- 屋号
- 澤瀉屋
- 定紋
- 三升に段の字、八重澤瀉
- 生没年月日
- 昭和21(1946)年07月20日〜令和5(2023)年05月18日
- 所属
- 伝統歌舞伎保存会会員
プロフィール
▼長男である現・市川猿之助の襲名公演のさなかに倒れて以来、本格的な舞台復帰を果たせずにいることは、段四郎個人としてだけでなく、今日の歌舞伎界にとっても大きな痛手である。『小栗判官』の横山大膳などの大敵、『神霊矢口渡』の頓兵衛、『俊寛』の瀬尾などの赤っ面等々、スケールの大きな敵役や、『夏祭浪花鑑』の釣舟三婦、『石切梶原』の六郎太夫などの老け役と、時代物、世話物、また丸本物から新歌舞伎、新作まで歌舞伎のあらゆる分野の脇の大役にこの人を欠くようになって、歌舞伎がどれだけ厚みを失ってしまったことか。もとは『絵本太功記』の光秀、『毛抜』の粂寺弾正など、主役をつとめた経歴も持つ人である。兄の市川猿翁の片腕として、スーパー歌舞伎や数々の古典の復活物で果たしたこの人の助力なしには、猿翁もあれほどの達成は難しかったかもしれない。若き日、兄の『黒塚』で持ち役にしていた強力の役は、半世紀たった今なお上超す者を見ていない。
〔上村以和於〕
経歴
芸歴
▼1946年7月20日生まれ。三代目市川段四郎の次男。57年4月歌舞伎座『熊野(ゆや)』の女童で初代市川亀治郎を名のり初舞台。63年5月歌舞伎座『雪月花三重暗闘(せつげつかみえのだんまり)』の沙那王で四代目市川団子(だんこ)を襲名。69年5月歌舞伎座『根元草摺引』の五郎などで四代目市川段四郎を襲名。
受賞
▼1974年重要無形文化財(総合認定)に認定され、伝統歌舞伎保存会会員となる。87年7月歌舞伎座『悪太郎』の悪太郎などで松竹社長賞優秀賞。93年第十五回眞山青果賞大賞。95年3月歌舞伎座『菅原伝授手習鑑』道明寺の宿禰太郎で歌舞伎座賞。96年4月歌舞伎座『東海道四谷怪談』の宅悦などで松竹会長賞。2001年第二十回眞山青果賞大賞。01年第二回とべとべ賞。02年11月『仮名手本忠臣蔵』の石堂右馬之丞と加古川本蔵で国立劇場優秀賞。09年第三十回松尾芸能賞松尾國三賞。16年旭日双光章。
舞台写真
写真をクリックすると拡大画像をご覧いただけます