坂東 竹三郎 (5代目) バンドウ タケサブロウ

屋号
音羽屋
定紋
鶴の丸、八重かたばみ
所属
伝統歌舞伎保存会会員

プロフィール

▼情が深く滋味にじむ演技で、特に義太夫狂言の母親役などに本領を発揮。関西在住の数少ない幹部俳優であり、上方の芝居になくてはならないベテランである。なかでも、『すし屋』のお米、『引窓』のお幸、『勘平腹切』のおかやなど、家族を思って苦悩する老母役で見せる情愛と哀れさはもはや独壇場。2018(平成30)年度の大阪文化祭賞に輝いた『女殺油地獄』の母おさわは、与兵衛への愛情を複雑な家庭環境をにじませながら演じ、作品世界に大きな説得力をもたらした。一方、『封印切』のおえんをはじめとする上方の花車方は、色街特有の色香と情味を体現、舞台の味を一際濃くする。新作歌舞伎にも個性を発揮し、スーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』の女医ベラドンナ、三谷かぶき『月光露針路日本(つきあかりめざすふるさと)』のロシア人女性ソフィア・イワーノヴナでは客席の喝采を浴びた。自主公演「坂東竹三郎の会」では『怪異 有馬猫』や『夏姿女團七』など珍しい芝居を上演し、観客を喜ばせた。

〔亀岡典子〕

経歴

芸歴

▼1932年8月4日生まれ。49年5月尾上菊次郎の弟子となり、大阪・中座『盛綱陣屋』の腰元で尾上笹太郎を名のり初舞台。59年三代目坂東薪車(しんしゃ)と改名し名題昇進。67年3月菊次郎の名前養子となり、朝日座『吉野川』の久我之助(こがのすけ)ほかで五代目坂東竹三郎を襲名。78年上方舞の東山村流の二世家元となり山村太鶴を名のる。

受賞

▼1972年重要無形文化財(総合認定)に認定され、伝統歌舞伎保存会会員となる。84年11月『ひらかな盛衰記』の山吹御前などで、96年10月『四天王楓江戸粧(してんのうもみじのえどぐま)』の緑木の内侍などで、2000年6月『恋飛脚大和往来』の井筒屋おえんで、02年7月『仮名手本忠臣蔵』六段目の母おかやで、07年6月『双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)』引窓の母お幸で、11年11月『曽根崎心中』の平野屋久右衛門で国立劇場優秀賞。1994、95年、99年に十三夜会賞助演賞。98年十三夜会賞奨励賞。2000年大阪市民表彰。03年第二十四回松尾芸能賞優秀賞。07年第十三回日本俳優協会賞特別賞。09年文化庁長官表彰。18年7月大阪松竹座『女殺油地獄』の母おさわで18年度大阪文化祭賞。

舞台写真