中村 歌昇 (4代目) ナカムラ カショウ

屋号
播磨屋
定紋
揚羽蝶
所属
伝統歌舞伎保存会会員

プロフィール

▼播磨屋一門の花形立役で大役を演じる機会も増えた。『元禄忠臣蔵』御浜御殿の富森助右衛門で綱豊相手に一歩も辞さないいちずさを、『一條大蔵譚(いちじょうおおくらものがたり)』の大蔵卿では本性を隠して生きる苦しみを、『引窓』の南与兵衛では義理と役目の間で懊悩する内面を表現。弟の中村種之助との勉強会「双蝶会」で『毛谷村』の六助、『傾城反魂香』の又平に挑戦するなど研鑽も続ける。2019(令和元)年の秀山祭九月大歌舞伎で長男の小川綜真が初お目見得した。

〔小玉祥子〕

経歴

芸歴

▼1989年5月6日生まれ。中村又五郎の長男。94年6月歌舞伎座〈四代目中村時蔵三十三回忌追善〉の『道行旅路の嫁入』の旅の若者で四代目中村種太郎を名のり初舞台。2011年9月新橋演舞場『舌出三番叟』の千歳ほかで四代目中村歌昇を襲名。15年1月浅草公会堂『一條大蔵譚』奥殿の一條大蔵長成ほかで名題昇進。

受賞

▼1998年10月『佐倉義民伝』の宗吾長男彦七で、2001年1月『奥州安達原』の娘お君で、07年12月『清水一角』の一角弟与一郎で国立劇場特別賞。06年10月『元禄忠臣蔵』の大石松之丞で、08年3月『芦屋道満大内鑑』の安倍保名で、12年12月『鬼一法眼三略巻』の笠原湛海で、17年10月『霊験亀山鉾』の若党轟金六で国立劇場奨励賞。18年重要無形文化財(総合認定)に認定され、伝統歌舞伎保存会会員となる。19年3月『元禄忠臣蔵』御浜御殿綱豊卿の富森助右衛門、19年10月『天竺徳兵衛韓噺(てんじくとくべえいこくばなし)』の山名時五郎氏連・奴鹿藏で、20年11月『平家女護島』の有王丸で、21年7月『義経千本桜』河連法眼館の源義経で国立劇場優秀賞。

舞台写真