澤村 藤十郎 (2代目) サワムラ トウジュウロウ

屋号
紀伊国屋
定紋
笹りんどう、波に千鳥
所属
伝統歌舞伎保存会会員

プロフィール

▼美貌の女方だった。『野崎村』のお染の愛くるしさ、『梅ごよみ』の芸者政次の色気、『暗闇の丑松』のお米のはかなさなど数々の舞台が浮かぶ。三代目澤村田之助の生きざまを描いた『女形の歯』は壮絶で、1968(昭和43)年度芸術選奨新人賞に輝いた。13歳で初舞台を踏んだのちに19歳まで東映専属の映画俳優を経験したことで、亡き兄の九代目澤村宗十郎のような紀伊国屋独自のこってりした芸風より、近代的感覚の理論派という印象が強い。大阪新歌舞伎座での宗十郎・藤十郎襲名を機に発足させた「関西で歌舞伎を育てる会」は現在も続いている。「こんぴら歌舞伎」の仕掛人で第1回公演 『再桜遇清水(さいかいざくらみそめのきよみず)』で演じた桜姫は、自然光の中でぞくりとするほど美しかった。「出雲阿国歌舞伎」「安芸の宮島薪かぶき」などプロデューサーとしての功績は大きい。病いに倒れリハビリ中だが、豊富な知識をいかして、復帰の舞台を数多く準備している。澤村國久、澤村國矢の弟子がよく育っている。

〔横溝幸子〕

経歴

芸歴

▼1943年10月12日生まれ。八代目澤村宗十郎の次男。57年1月歌舞伎座『忠臣蔵』九段目の一力の娘お久で澤村精四郎を名のり初舞台。76年9月歌舞伎座『白石噺』の信夫ほかで二代目澤村藤十郎を襲名。

受賞

▼1968年度芸術選奨新人賞。72年重要無形文化財(総合認定)に認定され、伝統歌舞伎保存会会員となる。90年眞山青果賞奨励賞。98年同特別賞。91年関西で歌舞伎を育てる会功労賞。同年名古屋演劇ペンクラブ年間賞。96年放送文化基金賞番組賞。99年関西・歌舞伎を愛する会特別功労賞。

舞台写真