尾上 松也 (2代目) オノエ マツヤ

屋号
音羽屋
定紋
抱き若松
所属
伝統歌舞伎保存会会員

プロフィール

▼舞台に映える甘く、端正な容姿に加え、口跡もいい。父は子役時代にテレビ時代劇で主演した名脇役の六代目尾上松助。子役で活躍し、10代は若殿や若衆から女方も演じた。ここ数年は若手花形のリーダー的存在として頭角を現し、座頭格の新春浅草歌舞伎では『忠臣蔵』五・六段目の早野勘平、『源氏店』の与三郎、『御浜御殿』の綱豊、『義賢最期』の義賢、南座や大阪松竹座の若手公演で『鳴神』の鳴神上人、『義経千本桜』渡海屋・大物浦の銀平実は知盛、歌舞伎座でも『御所五郎蔵』の五郎蔵を堂々と演じた。上り調子の勢いがあり、初役の大役に挑戦するなかで確かな結果を残している。20代前半で始めた自主公演「挑む」で積み重ねた地道な努力が花開いている。歌舞伎以外でもミュージカル『エリザベート』のルキーニ役で力強い歌声を聴かせ、劇団☆新感線公演『メタルマクベス』でハードなランダムスター役に主演し、テレビドラマに出演したりと、活躍の場は広がっている。

〔林 尚之〕

経歴

芸歴

▼1985年1月30日生まれ。六代目尾上松助の長男。90年5月歌舞伎座『伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)』の鶴千代で二代目尾上松也を名のり初舞台。

受賞

▼1991年10月『近江源氏先陣館』盛綱陣屋の一子小四郎で、93年3月『鼠小紋春着雛形』の蜆売り三吉で、96年12月『妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)』の伜(せがれ)三作で国立劇場特別賞。93年歌舞伎座賞。2002年映画『シベリア超特急2』の少年で第十一回日本映画批評家大賞新人賞。11年7月『義経千本桜』渡海屋・大物浦の源義経と「歌舞伎のみかた」の解説で国立劇場奨励賞。12年重要無形文化財(総合認定)に認定され、伝統歌舞伎保存会会員となる。13年3月『隅田川花御所染』の猿島惣太実は粟津七郎で国立劇場優秀賞。16年第三十七回松尾芸能賞新人賞。17年第三十三回浅草芸能大賞新人賞。

舞台写真