中村 萬太郎 (初代) ナカムラ マンタロウ
- 屋号
- 萬屋
- 定紋
- 桐蝶
- 所属
- 伝統歌舞伎保存会会員
プロフィール
▼立役。大きな目と愛嬌のある口元が印象的。ひと舞台ごとに着実な成長を見せている。『白浪五人男』の赤星や『義経千本桜』の義経などの二枚目では、凛とした品格にどこか人懐こい人間味が加わり、父・中村時蔵とも兄・中村梅枝とも違った魅力を放つ。『対面』の曽我五郎などの荒事や『馬盥(ばだらい)』の蘭丸などの赤っ面は独自路線。『髪結新三』の勝奴では剽軽な持ち味が効いた。『三社祭』の善玉や『土蜘』の渡辺綱など舞踊も良い。
〔内河 文〕
経歴
芸歴
▼1989年5月12日生まれ。中村時蔵の次男。94年6月歌舞伎座〈四代目中村時蔵三十三回忌追善〉の『道行旅路の嫁入』の旅の若者にて初代中村萬太郎を名のり初舞台。
受賞
▼2013年1月『夢市男達競(ゆめのいちおとこだてくらべ)』の源頼家で、同年7月「歌舞伎のみかた」の解説で、14年3月『菅原伝授手習鑑』車引の梅王丸で、15年7月「歌舞伎のみかた」の解説と『義経千本桜』渡海屋・大物浦の源義経で国立劇場奨励賞。18年重要無形文化財(総合認定)に認定され、伝統歌舞伎保存会会員となる。20年12月『三人吉三巴白浪』の手代十三郎で国立劇場優秀賞。