尾上 菊十郎 (3代目) オノエ キクジュウロウ
- 本名
- 岡山半次
- 屋号
- 音羽屋
- 定紋
- 重ね扇に十、六つ割菊に十の丸
- 生没年月日
- 明治21(1888)年02月01日〜昭和30(1955)年12月25日
- 出身
- 東京・湯島天神町
プロフィール
師匠六代目尾上菊五郎一座における御曹司連、四代目尾上丑之助時代の七代目尾上梅幸、松本豊(ゆたか)時代の二代目尾上松緑、初代尾上右近時代の二代目尾上九朗右衛門らの指南役を務め、特に丑之助には守り役の任に当たり、丑之助がライバルの三代目中村児太郎(六代目歌右衛門)にくらべて未熟だった時代に、その発奮を促したという話が残っている。
菊五郎劇団では三代目尾上鯉三郎・二代目市川照蔵に準ずる名脇役で、また豊富な経験を生かし、若手俳優の師匠番として重んじられた。『暗闇の丑松(くらやみのうしまつ)』の妓夫三吉は、書きおろしの際の尾上伊三郎(五代目松助)につぐ傑作とされ、ほかに『盲長屋梅加賀鳶』の女按摩、『雪暮夜入谷畦道(ゆきのゆうべいりやのあぜみち)』のそば屋女房など、市井の庶民の役を好演している。
【松井俊諭】
経歴
芸歴
明治25年5月本郷座『太平記旭鎧』の踊り子で尾上米子を名乗り初舞台。大正2年市川喜代次と改名。大正8年9月尾上三五郎と改名。大正9年5月市村座『男達芝居前賑』の男伊達にて尾上菊十郎を襲名、名題昇進。
受賞
昭和29年11月大阪市民文化賞。