澤村 小主水 (4代目) サワムラ コモンド
- 本名
- 竹内貞逸
- 屋号
- 紀伊国屋
- 定紋
- 四ツ杵
- 生没年月日
- 明治36(1903)年02月17日〜昭和58(1983)年12月26日
- 出身
- 東京
プロフィール
紀伊国屋の古参女形で、現・澤村田之助や亡き九代目澤村宗十郎にとって大切なお師匠番だった。家の芸や型を次の世代に伝えるため、先代の芸風や演技の段取りを詳細に記憶した高弟の存在は、歌舞伎の家にとって大きい力である。若い頃から七代目澤村宗十郎の身近にあって、その古風で独特な舞台の魅力や演技の型を肌で感じ、しっかり記憶していた。戦中から戦後にかけては、四代目澤村宇十郎らと地方巡業に出たこともあり、戦後は一時かたばみ座に所属した。こうした小芝居、中芝居での経験も、のちに大歌舞伎に復帰したときに大きな財産になっている。そして、この小主水あってこそ、高賀十種の『神霊矢口渡』のお舟の型が伝承されたと言っていい。いま若い女形たちが演じるお舟はこの人の伝えた型が基本になっているという。
【秋山勝彦】
経歴
芸歴
大正元年十三代目守田勘弥に入門、同年12月浜松の歌舞伎座『先代萩』の鶴千代で坂東のし丸を名乗り初舞台。大正6年1月澤村カン(金偏に丸)菊と改名。大正8年七代目澤村宗十郎に入門。大正15年6月帝劇『江島生島』(右田寅彦作)の島娘で四代目澤村小主水を襲名、名題昇進。地方巡業や「かたばみ座」での活躍のあと、昭和31年から大歌舞伎に復帰。昭和40年4月伝統歌舞伎保存会会員の第1次認定を受ける。