松本 幸蔵 (初代) マツモト コウゾウ
- 本名
- 一戸秀太郎
- 屋号
- 高麗屋
- 定紋
- 四ツ花菱
- 生没年月日
- 明治44(1911)年12月30日〜昭和60(1985)年06月06日
- 出身
- 神奈川県
プロフィール
八代目市川中車の門弟で市川中蔵を名乗っていた。小柄で鋭い目つきに渋い声。器用でちょっと小型中車という感じのあった人である。師の歿後、八代目松本幸四郎(初代白鸚)門下に移り、松本幸蔵を名乗った。『東海道四谷怪談』の四谷左門が、浪々してうらぶれても強情に武士の気概をしっかりもった感じが出ていてよかった。
【秋山勝彦】
経歴
芸歴
大正8年吾妻市之丞に入門し、同年9月宮戸座『島鵆月白浪(しまちどりつきのしらなみ)』の丁稚長松で坂東妻丸を名乗り初舞台(坂東喜丸とする資料あり)。昭和10年5月中村竹三郎一門に移り、中村竹男と改名。昭和15年8月八代目市川八百蔵(のち八代目中車)の門下に移り、市川八百次と改名。昭和28年1月市川中蔵と改名。昭和34年1月歌舞伎座『河内山』の質屋手代長吉で名題昇進、八代目松本幸四郎(のち初代白鸚)に名題昇進の口上を述べてもらう。昭和40年4月伝統歌舞伎保存会会員の第1次認定を受ける。昭和46年八代目中車没後は幸四郎一門と行動を共にする。昭和56年10月九代目幸四郎(現・白鸚)襲名の時にその一門となり、初代松本幸蔵と改名。