松本 染升 (初代) マツモト ソメショウ
- 本名
- 中村八郎
- 屋号
- 高麗屋
- 定紋
- 四つ花菱
- 生没年月日
- 明治36(1903)年03月20日〜昭和60(1985)年08月12日
- 出身
- 東京
プロフィール
意外にも若い頃は女形だったという。七代目松本幸四郎門下から前進座へ入り、映画界へ。時代劇より現代劇のイメージが強い。博士役とか大会社の重役がよく似合い、例えば黒澤明監督の『悪い奴ほどよく眠る』に利権がらみの建設会社の重役で出演、山茶花究(さざんか・きゅう)の配下と同じ穴のむじなの悪役が実に貫禄があった。その人が晩年歌舞伎に復帰し、二代目尾上松緑傘下でちょっとしたわき役で顔を見せた。商家の番頭や長屋の住人など、さりげない役を自然に演じていたが、もう1つ生彩が発揮できなかったのは残念だった。
【秋山勝彦】
経歴
芸歴
明治43年6月市村座で松本錦三郎を名乗り初舞台。昭和10年6月歌舞伎座『西洋咄日本写絵』で初代松本染升と改名、名題に昇進。昭和17年8月前進座に加入。のち前進座を退座して映画、テレビ等に出演。昭和46年5月より二代目尾上松緑の許で舞台に専念。昭和47年5月伝統歌舞伎保存会会員の第2次認定を受ける。