澤村 鐵之助 (4代目) サワムラ テツノスケ
- 本名
- 黒木威雄
- 屋号
- 紀伊国屋
- 定紋
- 釻菊、浪に千鳥
- 生没年月日
- 明治21(1888)年01月17日〜昭和34(1959)年10月27日
- 出身
- 群馬県高崎市
プロフィール
三代目澤村百之助時代は宮戸座などの中芝居で立女形(たておやま)として活躍、面長の顔が六代目尾上梅幸に似て、また姿もよいというので人気を博したという。二代目河原崎権十郎の二代目市川権三郎時代にその『雪暮夜入谷畦道(ゆきのゆうべいりやのあぜみち)』で三千歳、『江戸育御祭佐七』で小糸など、しばしば相手役を務め、主役では『実録先代萩』の浅岡、『廓文庫敷島怪談』の敷島なども好評だった。
鐵之助襲名後は大歌舞伎に戻り、脇役の女形として通した。本領は世話物の女房役だったが、昭和20年代の三越劇場の若手歌舞伎では『絵本太功記』の皐月、『摂州合邦辻(せっしゅうがっぽうがつじ)』の合邦女房などで重用されている。ほかに『櫓のお七』のお杉、『若木仇名草』の髪結お峰など。昭和28年7月明治座初演の北条秀司作『浮舟』では、大詰で薫大将に浮舟の悲運を告げにくる尼の役を好演、作者からも賞されている。
【松井俊諭】
経歴
芸歴
明治34年5月高崎市高盛座『先代萩』の鶴千代で初舞台。師匠は七代目澤村宗十郎。明治35年三代目澤村鐵之助の養子となり澤村小鐵と名乗る。明治39年5月歌舞伎座『助六』のならび傾城にて三代目澤村百之助を襲名。明治45年9月帝劇で名題昇進。昭和18年1月歌舞伎座『め組の喧嘩』の芸者おなべにて四代目澤村鐵之助を襲名。