尾上 菊次 オノエ キクジ
- 屋号
- 音羽屋
プロフィール
▼立役。長身に甘いマスクの持ち主で、武士でも町人でも作品世界の人物として溶け込んでいる。動きにキレがあり花四天などの立廻りで活躍する一方、舞踊の後見では無駄のない動きで手際よく勤めている。尾上松也を座頭とする自主公演「挑む」に参加するなど芸熱心。伝統歌舞伎保存会研修発表会では『弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)』の弁天小僧や『義経千本桜』すし屋の弥助、『本朝廿四孝』十種香の勝頼など大役を勤め、おっとりした品のなかに芯の強さを感じさせていた。
〔清水まり〕
経歴
芸歴
▼1986年生まれ。2004年国立劇場第17期歌舞伎俳優研修修了。4月歌舞伎座『白浪五人男』捕手ほかで初舞台。9月御園座『助六由縁江戸桜』の揚巻付三浦屋若い者で尾上音一郎を名のる。13年3月新橋演舞場『一條大蔵譚(いちじょうおおくらものがたり)』の仕丁で尾上音一朗と改名。17年9月名題適任証取得。20年4月尾上菊次を名のり名題昇進。
受賞
▼2011年1月『四天王御江戸鏑』の立廻りで国立劇場奨励賞。14年1月『三千両初春駒曳(さんぜんりょうはるのこまひき)』の立廻りで、15年1月『南総里見八犬伝』の立廻りで、17年1月『しらぬい譚(ものがたり)』の立廻りで国立劇場特別賞。