加賀屋 歌蔵 (初代) カガヤ ウタゾウ
- 本名
- 実形米吉
- 屋号
- 加賀屋
- 定紋
- 抱き四ツ梅
- 生没年月日
- 昭和3(1928)年01月01日〜平成11(1999)年02月05日
- 出身
- 千葉県
プロフィール
千葉県館山の生まれで、早くに親を失い、中学を中退していろいろな職業を転々としたあげく地元の竹沢劇団というプロの剣劇団に入った。その後、ほかの劇団を渡り歩いた末にかたばみ座に入った。3年ほどいて、20代半ばで、縁あって六代目中村歌右衛門に入門し、立役になった。健康そうな丸顔で頬が赤いので、楽屋で「トマト」の愛称をつけられたという。少し籠もったハスキーな低い声で、真面目で朴訥な印象がつよく、歌右衛門が『助六』の揚巻や『籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)』の八ツ橋をやると、いつも裏梅の浴衣を着て傍に付きそう廓の若い者や太鼓持ちをつとめていた。名題に昇進してからは敵役も多くなり、並びの大名などで目立たず、しかしするべきことはきちんと演じていた。
【浅原恒男】
経歴
芸歴
昭和20年4月館山市北條キネマ劇場で初舞台。昭和27年六代目中村歌右衛門に入門し、同年11月歌舞伎座で中村歌蔵を名乗り歌舞伎の初舞台を踏む。昭和32年7月歌舞伎座『今宮心中』の出店の主人で加賀屋歌蔵と改名し、名題昇進。昭和47年5月伝統歌舞伎保存会会員の第2次認定を受ける。