坂東 彦三郎 (9代目) バンドウ ヒコサブロウ

屋号
音羽屋
定紋
鶴の丸、八重かたばみ
所属
伝統歌舞伎保存会会員

プロフィール

▼祖父・十七代目市村羽左衛門から「お前は孫じゃない」と叱られながら芝居の行儀、品を厳しく仕込まれ、父・坂東楽善から恵まれた容姿、口跡の良さを譲り受けた。子役時代に御曹司揃いの『白浪五人男』で演じた南郷力丸で天分を発揮。10代は一念発起して英国の高校に留学。教師の求めで学校で踊りを披露したり老人ホームのボランティア活動をする等、見聞を広げたのは積極性の賜物だ。舞台復帰した20代では、『毛抜』の小野春風で若衆の気品を見せた。「海外経験を活かして古典を守る」という強い信念が醸成されたと思う。花形時代の『勧進帳』の駿河次郎や『義経千本桜』の亀井六郎は端正な舞台姿、また『鏡山旧錦絵(かがみやまこきょうのにしきえ)』の色奴伊達平や『白浪五人男』の忠信利平は華があった。2015(平成27)年の『壇浦兜軍記』では岩永左衛門を初役で勤めて、朗々とした台詞廻しと骨太の役柄で芸幅を広げた。

〔大島幸久〕

経歴

芸歴

▼1976年6月29日生まれ。坂東楽善の長男。81年12月国立劇場『寺子屋』の寺子で初お目見得。82年5月歌舞伎座『淀君情史』の亀丸で五代目坂東亀三郎を名のり初舞台。2017年5月歌舞伎座『石切梶原』の梶原平三などで九代目坂東彦三郎を襲名。

受賞

▼1985年3月『京鹿子娘道成寺』の所化で、87年3月『実録先代萩』の伊達亀千代で国立劇場特別賞。2005年6月「歌舞伎のみかた」の解説と『毛抜』の秦民部 で、10年3月『金門五山桐』の順喜観で、14年1月『三千両初春駒曳(さんぜんりょうはるのこまひき)』の小田家家臣宅間小平太で、同年6月『ぢいさんばあさん』の下嶋甚右衛門で、17年6月『毛抜』の八剣玄蕃で、20年1月『菊一座令和仇討』の大江志摩五郎で国立劇場優秀賞。09年重要無形文化財(総合認定)に認定され、伝統歌舞伎保存会会員となる。11年7月『義経千本桜』渡海屋・大物浦の相模五郎で国立劇場奨励賞。

舞台写真