上村 吉弥 (6代目) カミムラ キチヤ

屋号
美吉屋
定紋
折敷型世の字
所属
伝統歌舞伎保存会会員

プロフィール

▼はんなりとした上方の匂いと色香を醸し出す女方。儚げな美貌と的確な芝居に加え、年々芸の幅を広げていて、多彩な女性像に血を通わせている。『対面』の大磯の虎では、堂々たる姿で傾城としての大きさを艶やかに表現。『実盛物語』の葵御前などの気品漂う奥方、情の濃い世話女房も手堅い。『封印切』のおえん、『廓文章』のおきさ、『河庄』のお庄といった花車方も得意とし、上方の色街の雰囲気を情味豊かに体現して見せる。老母役にも手を広げ、『仮名手本忠臣蔵』六段目のおかや、『毛谷村』のお幸、『輝虎配膳』の越路などで、様々な母親の胸の内をきっちりと描写。『天守物語』では奥女中薄にたびたび取り組み、姫路城の天守に棲む魔性の者をたおやかに映し出す。長年、南座での歌舞伎鑑賞教室の軸となって、歌舞伎ファンの開拓に尽力した。大塚国際美術館でのシスティーナ歌舞伎には毎回出演し、和と洋の融合を目指す舞台で古典味を光らせている。

〔坂東亜矢子〕

経歴

芸歴

▼1955年4月27日生まれ。73年8月片岡我當に入門し、同年10月大阪新歌舞伎座『新吾十番勝負』の寛永寺の僧ほかで片岡千次郎を名のり初舞台。87年名題披露。93年11月南座『草摺引』の舞鶴ほかで六代目上村吉弥を襲名。

受賞

▼1986年十三夜会賞奨励賞。同年咲くやこの花賞。87年大阪府民劇場奨励賞。97年1月『壇浦兜軍記』の茶店の娘お花で、2006年11月『元禄忠臣蔵』の腰元おうめで国立劇場奨励賞。同年和歌山県文化奨励賞。1999年歌舞伎座賞。2001年重要無形文化財(総合認定)に認定され、伝統歌舞伎保存会会員となる。02年松竹会長賞。07年11月『摂州合邦辻』の合邦妻おとくで、12年10月『塩原多助一代記』の後家お亀で、17年10月『霊験亀山鉾』の丹波屋おりきで、19年12月『近江源氏先陣館』の盛綱母微妙で国立劇場優秀賞。16年第三十五回京都府文化賞功労賞。

舞台写真