尾上 菊史郎 (初代) オノエ キクシロウ

屋号
音羽屋
所属
伝統歌舞伎保存会会員

プロフィール

▼3歳上の兄・尾上菊市郎を追うようにして子役から菊五郎劇団に入門。立役に進んだ兄と違い、女方を軸にしつつ、長身のすっきりした風姿を活かし二枚目系も演じる兼ねる役者だ。『魚屋宗五郎』の菊茶屋娘おしげ、『文七元結』のお光など、可憐な娘役を長らく持ち役としていたが、2017(平成29)年の伝統歌舞伎保存会・研修発表会で、『本朝廿四孝』十種香の腰元濡衣を初演。大人の上品な色気を漂わせ、新境地を見せた。

〔中村桂子〕

経歴

芸歴

▼1973年生まれ。78年10月御園座『土蜘』の石神で松尾多加史の名で初舞台。子役として活躍した後、81年5月尾上菊五郎の部屋子となり、『髪結新三』の丁稚長松で尾上菊丸を名のる。99年5月初代尾上菊史郎と改め、歌舞伎座『文七元結』のお光で名題昇進。

受賞

▼2008年12月『遠山桜天保日記』の芸妓おかくで国立劇場奨励賞。09年重要無形文化財(総合認定)に認定され、伝統歌舞伎保存会会員となる。

舞台写真

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