中村 吉五郎 (2代目) ナカムラ キチゴロウ
- 本名
- 片岡護
- 屋号
- 播磨屋
- 定紋
- 揚羽蝶
- 生没年月日
- 昭和30(1955)年04月14日〜ご健在
- 出身
- 東京都
プロフィール
二代目中村吉右衛門一門の立役で、はっきりとした目鼻立ちが強い印象を残す立役として活躍していた。『妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)』のいじめの官女にはユーモラスさがあり、『夏祭浪花鑑』では小悪党のなまこの八を軽妙に演じた。『増補双級巴(ぞうほふたつどもえ)』の米屋八十八は人の好さがにじみ出て、『名月八幡祭』の藤岡中間(ちゅうげん)伍助は主人への忠義心を感じさせた。『石切梶原』の大庭方の大名や『対面』の大名、『鈴ヶ森』の雲助、『絵本太功記』の真柴郎党など、場にふさわしい演技を見せた。令和3年4月30日付で引退。最後の出演は1月歌舞伎座『仮名手本忠臣蔵』七段目の太鼓持万吉だった。
〔小玉祥子〕
経歴
芸歴
▼1978年6月東横劇場前進座公演で『百太郎騒ぎ』の土地の者、『水沢の一夜』の兵卒で初舞台。79年3月前進座付属養成所を修了、前進座入座。81年4月同座を退座し、6月二代目中村吉右衛門に入門。同年10月歌舞伎座『盲長屋梅加賀鳶』の町の者で中村吉次を名のる。98年9月歌舞伎座『二條城の清正』の庄林隼人で二代目中村吉五郎を襲名し名題昇進。2012年10月伝統歌舞伎保存会会員の第13次認定を受ける。
受賞
▼1995年10月『平家女護嶋』の立師(立廻り)で国立劇場特別賞。96年12月『妹背山婦女庭訓』三笠山御殿の力者で国立劇場優秀賞。2004年『再桜遇清水(さいかいざくらみそめのきよみず)』の奴灘平で三穂津さくら賞、ほか。