松本 幸蔵 (2代目) マツモト コウゾウ
- 屋号
- 高麗屋
- 所属
- 伝統歌舞伎保存会会員
プロフィール
▼立役。実直で控えめな役柄が似合う脇役。この人の真面目な人柄を彷彿とさせる芝居で、小柄ながら独特の存在感がある。『双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)』の茶店亭主金平、『女殺油地獄』の山上講の先達、『弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)』の浜松屋手代太助など、時代物の下級武士や世話物の町人、手代のような役柄をしっかりと好演している。新作『月光露針路日本(つきあかりめざすふるさと) 風雲児たち』では、博識な水主(かこ)の長次郎を熱演していたのが印象深い。
〔小野幸恵〕
経歴
芸歴
▼1968年生まれ。90年国立劇場第10期歌舞伎俳優研修修了。4月歌舞伎座『籠釣瓶』の廓の若い者で小島隆の名で初舞台。91年5月九代目松本幸四郎(現・白鸚)に入門し、歌舞伎座『私本太平記』の兵士で松本錦一を名のる。2008年2月歌舞伎座『仮名手本忠臣蔵』七段目の太鼓持一平で名題昇進。18年1月歌舞伎座『双蝶々曲輪日記』角力場の三原有右衛門ほかで二代目松本幸蔵を名のる。
受賞
▼1990年11月『国性爺合戦』の下官で、2014年10月『双蝶々曲輪日記』の茶屋亭主金平で国立劇場奨励賞。10年第十六回日本俳優協会賞奨励賞。18年重要無形文化財(総合認定)に認定され、伝統歌舞伎保存会会員となる。