初舞台・初お目見得

「初舞台」は俳優として初めて舞台に乗ることを意味し、歌舞伎の初舞台は多くの場合6歳前後の幼少期に行われます。古来より稽古事の初めは「6歳の6月6日」が良いとされる通り、やはり物事を習得するにはまさしくこの年ごろがふさわしいようです。昨今の例を見ますと、歌舞伎俳優の家に生まれた子息は3~4歳の物心ついたころからすでに舞踊の稽古を始めることが多く、さらに歳を重ねるにしたがって長唄、鳴物といったお稽古に発展してゆきます。

また近年は初舞台以前に本名のまま「初お目見得」として試験的に舞台出演させる例も増え、これを機に次第に劇場や観客に慣れてゆき、当人の心構えも出来上がってゆきます。そして芸名を名乗って初舞台を踏むということは、幼少ながらいよいよ歌舞伎俳優の一員としてスタートを切ることなのです。