俳優の養成事業

歌舞伎俳優の養成事業は国立劇場(日本芸術文化振興会)による歌舞伎俳優研修生の育成がその歴史も永く、1970(昭和45)年に始まりすでに24期を数えます。2年間の研修期間修了後はそれぞれ歌舞伎俳優に入門してさらに研鑽を積むと同時に俳優として数々の舞台に立ち、歌舞伎の上演と継承に大きく貢献しています。また歌舞伎俳優のほか、歌舞伎音楽の竹本(義太夫)、長唄、鳴物の研修生も同時に育成しています。

また「上方歌舞伎塾」は1997(平成9)年、大阪松竹座の開場を機に上方歌舞伎の後継者育成のため松竹が開設したものです。関西に住み上方の言葉を話す歌舞伎俳優を育てるという指針が掲げられ、その成果も実を結びつつあります。さらに2014(平成26)年に「こども歌舞伎スクール 寺子屋」が歌舞伎座内で開かれ、ここでは明日を担う子供たちに「和」の立ち振る舞いや礼儀作法を学んでもらうと同時に歌舞伎の子役の演技も指導しており、すでに舞台に出演する児童も多く輩出しています。

なお俳優の養成事業をさらに遡れば、1930(昭和5)年に六代目尾上菊五郎が私費を投じて開設した「日本俳優学校」があります。本来菊五郎は既存の俳優たちに教育を施そうというねらいであったと伝えられますが、入門者が限られ一般から入学志望者を募ることとなりました。しかし校長である菊五郎の思いは叶わず5期生まで卒業させて閉鎖となりました。